
「AIに聞かれたとき、うちの会社は出てくるのか」。
最近この相談が増えました。SEO、AEO、LLMO、GEO、AIO——似た言葉が並んでいて、何から手をつければいいか分かりにくくなっています。
この記事では、用語の整理と中小企業がやるべき順番をお伝えします。あわせて、LAPUPが自社サイトで実際に測って、実際に直した記録を公開します。きれいな成功談ではありません。測ったら「AIはうちの会社を特定できていなかった」という結果が出た、その話です。
まず、仕組みから
用語より先に、何が起きているかを整理します。
これまで、人が会社を探す経路は「検索して、一覧から選んでクリックする」でした。いまはここに、「AIに聞いて、AIが答えた会社を見る」という経路が加わっています。
このとき、AIは次のことをしています(現時点での仮説として整理しています。仕様は公開されていないため、断定はできません)。
- Web上から会社の情報を集める
- それが何の会社かを理解する
- 他社と比較する
- 質問に合う会社を推薦する
従来のSEOは1と3に効く施策でした。いま足りていないのは2の「理解」です。情報が矛盾していると、AIはその会社を推薦の候補に入れられません。
用語の対応関係
仕組みが分かったところで、名前を当てはめます。
| 呼び方 | 実質やること |
|---|---|
| SEO | 検索結果の一覧で上位に出る |
| AEO(Answer Engine Optimization) | 想定される問いの「答え」になる |
| LLMO(LLM Optimization) | AIが読み取れる形に情報を構造化する |
| GEO(Generative Engine Optimization) | 生成AIの回答で引用・推薦される |
| AIO(AI Optimization) | 上記の総称として使われることが多い |
正直に言うと、これらの言葉に業界共通の厳密な定義はありません。同じ言葉でも会社によって指す範囲が違います。呼び分けを覚えることに意味はないので、「AIに正しく理解され、正しく推薦される状態を作る」という1つの目的で考えてください。
中小企業がやるべき順番
結論から言うと、この順番です。
- いまAIが自社をどう説明するかを測る(無料・15分)
- 会社情報の矛盾を消す(安い・確実)
- 想定される問いに答えるコンテンツを作る(時間がかかる)
なぜ「測る」が先なのか
直す前の状態を記録していないと、効いたかどうかを永久に言えなくなるからです。
やり方は簡単です。ChatGPTやPerplexityに、こう聞いてください。
- 「◯◯株式会社について教えてください」
- 「(地域)の(業種)の会社を教えてください」
- 「(自社が解決している課題)を支援している会社を教えてください」
回答をそのまま保存します。これが基準値になります。
なぜ「矛盾を消す」が2番目なのか
コンテンツを増やす前に、いまある情報が食い違っていないかを確認するほうが安く、確実だからです。次章で実例をお見せします。

実際に測ってみた(LAPUP自社サイト・2026年8月15日)
ここからは当社の記録です。
LAPUPは「AIに選ばれる設計」を掲げている会社です。その自社サイトを、匿名(未ログイン)状態のPerplexityで測りました。
結果:会社を特定できていなかった
「LAPUP株式会社について教えてください」への回答は、こうでした。
LAPUP株式会社については、複数の情報源で名称が出ており、設立時期や所在地が異なるケースがあります。現時点で信頼できる公式情報が混在しており、一つに特定できる確かな概要は得られていません。2026年設立とする情報源がある一方で、過去に存在した別企業名としての記載も見られます。
「情報が足りない」ではなく「情報が矛盾していて特定できない」と言われました。ここが重要です。コンテンツを増やしても解決しない種類の問題だからです。
原因1:同じ会社が5つの別実体として書かれていた
サイトの構造化データ(AIが読む会社情報)を全ページ調べたところ、こうなっていました。
- トップページと下層ページで、会社の識別子がバラバラだった(
#orgと#organizationが混在) - ページによって会社の説明が微妙に違っていた
- テーマ(WordPressのデザインテンプレート)が、会社を「人」として自動出力していた
- 外部サイトとの紐付け(
sameAs)が1つも設定されていなかった
AIから見ると、似た名前の会社が5つ並んでいる状態です。どれが本物か決められません。
原因2:外部の求人ページが、法人化前の会社を説明していた
こちらのほうが重い問題でした。
社名で検索すると、求人媒体のページが自社サイトより上位に出ていました。その中身を読むと、法人化する前の所在地と事業内容のまま止まっていたのです。
| 求人媒体の記載 | 実際 | |
|---|---|---|
| 所在地 | 法人化前の住所 | 登記上の住所(一度も変更なし) |
| 事業内容 | HP制作・ライティング | 実装型のコンサルティング |
AIから見れば「同じ社名なのに、所在地も事業内容も違う情報源が2つある」わけです。Perplexityが言った「所在地が異なる」の出所は、おそらくここでした。
法人化・社名変更・移転を経た会社は、前身の説明が外部に残ります。これはAIが会社を特定できなくなる直接の原因になります。心当たりのある方は、求人媒体・企業データベース・SNSの記載を一度見直してください。
何をしたか
当日行った作業です。
- 測定(Before取得)——直す前に記録。これを飛ばすと効果を言えなくなります
- 会社の識別子を1つに統一——全ページで同じ会社を指すようにしました
- 法人番号を宣言——同名の別会社と決定的に区別できるようにしました
- テーマの自動出力を停止——会社が「人」として存在する状態を解消。設定1つで済みました
- 外部の求人ページを修正——所在地・事業内容・ロゴ・代表者名・設立年を実態に合わせました
費用はかかっていません。新しくコンテンツを作ってもいません。矛盾を消しただけです。
結果は、これから測ります
効果測定は1ヶ月後(2026年9月15日)に、同じ条件(未ログイン・同じ4つの質問)で行います。結果が出たら、この記事に追記します。
良くなっても、変わらなくても、そのまま書きます。「変わらなかった」という結果も、同じように価値のあるデータだからです。
今日からできること
最後に、費用をかけずにできることを挙げます。
- ChatGPTかPerplexityに、自社名を入れて聞いてみる——3分で終わります。回答は保存してください
- 会社名で検索して、上位10件を見る——自社サイトより上に何が出ているか。そこに書かれている情報は正しいか
- 求人媒体・企業データベースの記載を確認する——所在地・事業内容・設立年が、いまの実態と合っているか
この3つで、直すべき箇所の大半は見つかります。
よくある質問
Q. SEOとLLMOは、どちらを先にやるべきですか?
A. 分けて考える必要はありません。土台(情報の構造・根拠・一貫性)は共通です。ただし順番として、いまある情報の矛盾を消すほうが、新しいコンテンツを作るより先です。安く、確実だからです。
Q. AIに載るために、記事をたくさん書けばいいですか?
A. 情報が矛盾している状態で記事を増やしても、AIは会社を特定できません。当社の実測では「情報が足りない」ではなく「矛盾していて特定できない」と返ってきました。先に矛盾を消してください。
Q. 効果はどのくらいで出ますか?
A. 現時点では分かりません。当社も1ヶ月後に測って確かめる段階です。断定している情報には注意してください。AI側の仕様は公開されておらず、検証されたデータはまだ世の中に多くありません。
Q. 自社でできますか?
A. 測定と、外部媒体の記載修正は自社でできます。構造化データの修正はサイトの作りによります。
まとめ
SEO・AEO・LLMO・GEO・AIO——呼び方は違っても、目的は「AIに正しく理解され、正しく推薦される状態を作る」ことです。
そのために最初にやることは、記事を増やすことでも、新しいツールを入れることでもありません。いまAIが自社をどう説明しているかを測り、矛盾を消すことです。
LAPUPは、この作業を自社サイトで先に行っています。結果は良くても悪くても公開します。
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