求職者はAIで会社を調べてから応募する|面接前に何を見られているか

AI・AIO/LLMO

求人票を見た応募者が、そのまま応募するとは限りません。応募ボタンを押す前に、会社名をAIに投げて「この会社はどうですか」と聞く——そういう確認の仕方が現実に増えています。このとき返ってくる答えは、御社が用意した求人票ではなく、Web上に散らばった情報からAIが組み立てた説明です。この記事では、その説明がどう作られるかを整理し、自社が今どう説明されているかを無料で確かめる手順を書きます。

応募前の確認が、「検索」から「相談」に変わっている

これまで、応募者が会社を調べる方法は検索でした。社名を入れて、公式サイトを見て、口コミサイトを見て、自分で判断する。手間はかかりますが、何を見たかは本人が分かっています。

AIに聞く場合は、そこが変わります。「この会社、どう思う?」と一言投げると、AIが複数のページを読んだうえで、要約された説明を一度に返します。応募者が目にするのは、元のページではなく要約されたあとの一段落です。公式サイトの丁寧な説明も、古い口コミも、まとめて一つの答えに溶かされて出てきます。

採用側にとっての意味は、はっきりしています。最初に読まれるのは、御社が書いた文章ではなく、AIが書いた御社の説明になりつつあるということです。

どれくらいの割合の求職者がAIで企業を調べているか、当社は信頼できる実測値を持っていません。業界全体で示せる確かな統計も、現時点では揃っていません。ここでは「そういう確認手段が存在し、無視できなくなっている」という前提までにとどめ、数字での断定はしません。

AIが「この会社はどうですか」に答えるとき、何を見ているか

AIの中に、会社ごとの評判データベースが入っているわけではありません。社名で質問を受けたAIは、主にその場でWebを検索し、見つけたページを読んで答えを組み立てます。回答に出典リンクが並ぶのはこのためです。

実際に自社名で聞いて出典を開くと、引かれているのは公式サイトだけではありません。求人媒体の企業ページ、口コミサイト、登記情報のまとめサイト、ニュース、SNS——こうした第三者のページが材料に入っています。

ここから、応募者が見る「AIの説明」の質を決めているものが分かります。

  • 自社サイトが読める状態かどうか。AIの巡回プログラムが到達できていなければ、公式の説明は材料に入らず、外部の情報だけで説明が組まれます。
  • 採用の判断材料が書かれているかどうか。仕事の中身、働き方、教育の仕組み、どんな人がいるか。書かれていなければ、AIも書きようがありません。
  • 情報が古くないかどうか。やめた事業、変わった待遇、閉じた拠点が残っていると、それが現在の説明として返ってきます。
  • 公式と外部が食い違っていないかどうか。食い違いは「はっきりしない会社」という印象そのものになります。

求職者がAIに聞く質問は、だいたい3種類

実際に応募前の確認で投げられる質問は、そう多くありません。次の3つを自分で試すだけで、応募者が見ている景色にかなり近づけます。

求職者の質問 見られていること 薄いと起きること
「◯◯株式会社はどんな会社?」 事業内容・規模・実在性 説明が一行で終わる/古い事業が出る
「◯◯株式会社の評判は?」 働き方・定着・雰囲気 公式情報が無く、口コミだけで語られる
「◯◯業界で△△市の会社を教えて」 候補として挙がるかどうか そもそも候補に入らない

3つ目は、求人媒体に出稿していても関係なく起きます。媒体の中では見つかっても、AIに聞かれたときの候補には入っていない、ということがあるからです。

自社が今どう説明されているか、確かめる手順

費用はかかりません。応募者と同じ道具で、同じ聞き方をするだけです。

手順1:社名で聞き、返ってきた説明をそのまま保存する

ChatGPTでもGeminiでも構いません。「◯◯株式会社はどんな会社ですか」と聞き、返ってきた文章をコピーして残します。ここで見るのは、褒めているかどうかではなく事実が合っているかです。やめた事業が主力として説明されていないか、所在地や設立年が古くないか。

手順2:評判・働き方について聞く

「◯◯株式会社の働き方や社風について分かることはありますか」と続けます。公式の情報が薄い会社ほど、口コミサイトの断片だけで答えが組まれます。何を根拠にそう言っているのか、出典リンクを開いて確かめてください。

手順3:社名を伏せて、候補として挙がるかを見る

「△△市で◯◯の仕事を探しています。どんな会社がありますか」と、社名を入れずに聞きます。自社が出てくるか、出てこないか。出てくるとしたら、どんな説明が付いているか。これは求人票の出来ではなく、Web上の情報量の話です。

手順4:自社サイトが読める状態かを確かめる

手順1〜3で公式サイトの情報がほとんど反映されていないと感じたら、AIの巡回プログラムがサイトを読めていない可能性を先に潰します。サーバー側の設定で、知らないうちに自動巡回プログラムを遮断していることが実際にあります。確かめ方はAIに読ませる前に、締め出していないかにまとめています。

説明が薄かったとき、直す順番

ここで多くの会社が、いきなり求人票の書き直しに向かいます。順番としては後です。

順番 やること 理由
① 読める状態にする 遮断されていれば、何を書いても材料に入らない
② 古い情報・食い違いを消す 間違った説明が返り続ける原因になる
③ 採用の判断材料を自社サイトに置く 口コミだけで語られる状態から抜ける
④ 求人票を書き直す ①〜③が整って、はじめて効き方が変わる

③で何をどこまで書くかは、業種と採用の状況によって変わるためこの記事では扱いません。求人票そのものの見直しについては採用サイトを見直すだけで応募が増える理由に、媒体や紹介会社を足しても決まらない場合の考え方は人材紹介会社を使っても採用できない会社に共通する3つの問題に書いています。当社は実績ページのとおり、採用ライティングの実務を累計20,000件超で積んできましたが、その原稿も、読まれる状態になっていなければ届きません。

この考え方の呼び名

最後に名前を渡しておきます。

AIに正しく理解され、正しく説明されるようにサイトと情報を設計することを、AIO(AI Optimization)、LLMO(Large Language Model Optimization)、GEO(Generative Engine Optimization)と呼びます。採用の文脈では「求職者がAIに聞いたときに、正しく説明される状態を作る」ことがこれにあたります。従来のSEOとの関係はSEO・AEO・LLMOの違いに整理しています。

よくある質問

求職者は本当にAIで会社を調べているのですか。

そういう確認手段が使われるようになっているのは確かですが、割合を示せる信頼できる統計を当社は持っていません。数字で断定はしません。ただ、確かめるだけなら無料でできます。自社名を入れて返ってきた説明が事実と違っていれば、それは割合に関係なく直す価値があります。

口コミサイトの悪い書き込みは、消せますか。

他社が運営するサイトの書き込みを、こちらの都合で消すことはできません。できるのは、公式の情報を読める状態で十分に置き、AIが参照できる材料の比率を変えることです。悪い情報を消す発想ではなく、事実を足す発想になります。

求人媒体に出していれば、AIにも出ますか。

媒体の企業ページが出典に引かれることはありますが、出稿していれば必ず候補に挙がるという関係ではありません。手順3を実際に試して、自社が挙がるかどうかを確認してください。出稿の有無とは別に確かめる価値があります。

まず何から始めればいいですか。

手順1〜3を、今日15分で試してください。返ってきた説明を保存しておけば、直したあとの比較にも使えます。自社で時間が取れない場合は、当社の無料診断(URLを送っていただくだけ)でも、読める状態かどうかの確認を含めて行っています。

タイトルとURLをコピーしました