人材紹介のAI活用・効率化|少人数の運営で競合分析・求職者DB・推薦文・アポリストをAIに渡す設計

コラム記事

人材紹介 × AI活用

人材紹介のAI活用は、
「作業を渡し、判断を残す」設計から。

調べる・まとめる・下書きする作業をAIに渡し、人は面談と判断に集中する。その分け方と個人情報のルールを、立ち上げ・グロースを個人として150社以上支援してきた担当コンサルタントが整理しました。

AIに作業を渡す業務

6つ

AIを使う前に決めるルール

5項目

導入の進め方

4ステップ

公開日 2026年10月1日|更新日 2026年10月1日
執筆:溜貝 佳央梨(LAPUP株式会社 COO/人材紹介事業 立ち上げ支援 担当コンサルタント)

「人材紹介 AI 活用」「人材紹介 AI 効率化」で調べると、マッチングの仕組みや便利なツールの紹介がたくさん出てきます。ただ、これから人材紹介を始める会社や、CA・RAを1〜2名で回している会社が知りたいのは、「自分たちの人数で、どの仕事をAIに任せれば回るのか」ではないでしょうか。

この記事では、ツールの名前ではなく業務の組み方で答えます。AIに渡すのは「調べる・まとめる・下書きする」作業、人に残すのは「会う・決める・約束する」判断です。この線を最初に引いておくと、少人数でも面談と推薦に時間を回しやすくなります。

あわせて、求職者の個人情報をAIで扱うときの職業安定法と個人情報保護法の考え方を、公的な資料をもとにまとめました。

少人数の人材紹介では、1人が面談・記録・推薦文・求人開拓・連絡を抱え、判断より前後の作業に時間が流れる
時間の配分は考え方を示すイメージで、実測値ではありません。
01

  1. 少人数の人材紹介が回らなくなるのは、作業が判断の時間を食うから
    1. CA・RAが1〜2名のとき、1人が抱える仕事
    2. 人材紹介のAI効率化は、「作業」と「判断」を分けるところから
  2. 人材紹介のAI活用の全体像|6つの業務で「渡す」「残す」を分ける
  3. 【前提】求職者の個人情報をAIで扱う前に決める5つのルール
    1. 職業安定法が求めていること(第5条の5・第51条・指針)
    2. 個人情報保護法と、生成AIへの入力で気をつけること
    3. 社内ルールに書いておく5つのこと
  4. 競合分析をAIに渡す|「どこで戦うか」の材料をそろえる
    1. AIに集めさせる情報
    2. 人が決めること
  5. 求職者データベースをAIで育てる|掘り起こせる記録にする
    1. 記録の型を決める(タグの設計)
    2. 過去の求職者を新しい求人に当て直す
  6. 面談記録と推薦文をAIで下書きする|人は面談そのものに集中する
    1. 面談記録:録音・文字起こしの前に、目的を伝える
    2. 推薦文:AIの下書きを人が直す3つの観点
  7. 人材紹介のアポリストをAIで作る|求人開拓の準備を短くする
    1. アポリストに入れる項目と、優先度のつけ方
    2. 初回連絡文の下書きと、結果をリストに戻す流れ
  8. 少人数で人材紹介を運営する体制例|1名・2名・3名で何を分けるか
    1. 1名で始めるとき
    2. 2名以上に増えたとき
  9. 人材紹介のAI導入と効率化を進める4つのステップ
    1. ステップ1:ルールを決める
    2. ステップ2:記録から始める
    3. ステップ3:データベースを育てる
    4. ステップ4:外に向ける
  10. 人材紹介のAI活用でよくあるつまずきと、確かめ方・打ち手
    1. 下書きの確認が追いつかない
    2. 入力のルールが人によって違う
    3. 記録の形がバラバラで、データベースとして使えない
    4. 一度に全部を自動化しようとしている
  11. 数字で回す|AIが集計し、人が打ち手を決める
  12. 支援事例|少人数での立ち上げ
  13. LAPUPの人材紹介事業 立ち上げ支援と「AI HR」
  14. よくある質問

少人数の人材紹介が回らなくなるのは、作業が判断の時間を食うから

人が足りないのではなく、人の時間が作業に取られている。少人数の人材紹介で起きているのは、多くの場合こちらです。

CA・RAが1〜2名のとき、1人が抱える仕事

人材紹介の仕事は、求職者を担当するCA(キャリアアドバイザー)と、求人企業を担当するRA(リクルーティングアドバイザー)に分かれます。立ち上げ期は、この両方を1〜2名で受け持つことが少なくありません。

1人の1日は、面談前の経歴の読み込みと求人の下調べ、面談後の記録と連絡、推薦文の作成、求人企業の開拓と続きます。判断そのものより、その前後の準備と記録に多くの時間が流れていきます。

求職者が複数の紹介会社に登録している場合、連絡が遅れると他社で話が進みます。少人数の人材紹介で最初に守りたいのは、面談と連絡の時間です。

人材紹介のAI効率化は、「作業」と「判断」を分けるところから

少人数の人材紹介で先に必要なのは、自動化ではなく仕分けです。

  • 作業:手順が決まっていて、結果を人が確認できるもの(調べる・まとめる・下書きする・集計する)
  • 判断:相手と向き合い、結果に責任を持つもの(会う・勧める・推薦する・約束する)

作業はAIに渡し、判断は人に残す。この仕分けを業務ごとに決めておくことが、人材紹介のAI活用の出発点です。仕分けをしないままAIを入れると、下書きを確認する手間が増えるだけで、かえって遅くなることがあります。

AIに渡す作業(調べる・まとめる・下書き・集計)と、人に残す判断(会う・勧める・推薦する・約束する)
作業は結果を人が確認できるもの、判断は結果に責任を持つもの、と分けます。
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人材紹介のAI活用の全体像|6つの業務で「渡す」「残す」を分ける

少人数の人材紹介で時間がかかる業務は、おおむね次の6つです。それぞれについて、AIに渡せる作業と人に残す判断、そして求職者の個人情報に触れるかどうかを並べます。

業務 AIに渡す作業 人に残す判断 求職者の個人情報
競合分析 同じ地域・領域の紹介会社や公開求人の条件を集め、比較表を下書きする どの領域・地域で戦うか 扱わない(公開情報が対象)
求職者データベース 面談記録から項目を抜き出して整える、経験・希望のタグ付け、新しい求人に合いそうな人の候補出し 誰に連絡するか、何を勧めるか 扱う(ルールが前提)
面談記録 文字起こしの要約、次に確認することの洗い出し 面談そのもの、本人の意向の見極め 扱う
推薦文 経歴と求人要件の照合、合う点と懸念点の整理、推薦文の下書き 推薦するかどうか、最終の文面 扱う
アポリスト(求人開拓) 公開情報から採用中の企業を拾い、優先順位をつけたリストと初回連絡文の下書きを作る どの企業に会うか、条件の交渉 原則扱わない(企業の担当者名は個人情報)
数字(KPI) 登録から内定までの段階別の集計、落ちている段階の指摘 打ち手の決定 集計値のみ
人材紹介の6つの業務(競合分析・求職者DB・面談記録・推薦文・アポリスト・数字)で、AIに渡す作業と人に残す判断を分けた全体図
どの業務も、AIが作るのは「材料」と「下書き」まで。決めるのは人です。

表の右端のとおり、半分の業務は求職者の個人情報に触れます。そのため、使い始める前に扱い方のルールを決めます(次の章)。この分け方は、立ち上げ支援のページで紹介しているAIに任せる作業と人が持つ判断の分け方と同じ考え方です。

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【前提】求職者の個人情報をAIで扱う前に決める5つのルール

AIに入力する前に、「何を入れてよいか」を決める。これが少人数でAIを使うときの最初の仕事です。

職業安定法が求めていること(第5条の5・第51条・指針)

職業紹介事業者が求職者の個人情報を扱うときは、職業安定法第5条の5が基本になります。求職者の個人情報は、業務の目的の達成に必要な範囲内で、目的を明らかにして集め、その目的の範囲内で保管・使用すること。そして、適正に管理するために必要な措置を講じることが求められています(本人の同意がある場合など、例外の定めもあります)。

同法第51条は、正当な理由なく業務上知り得た人の秘密を漏らさないこと、業務に関して知り得た個人情報をみだりに他人に知らせないことを定めています。従業者でなくなったあとも同じです。

厚生労働省の指針(平成11年労働省告示第141号)では、さらに次のことが示されています。

  • 集める目的は、求職者が一般的かつ合理的に想定できる程度に具体的に示す
  • 人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項、思想及び信条、労働組合への加入状況は、原則として集めない
  • 保管・使用は、集めた目的の範囲に限る
  • 正確・最新に保つ、漏えいを防ぐ、権限のない人のアクセスを防ぐ、不要になったら破棄・削除する
  • 扱える人の範囲や研修などを定めた「個人情報の適正管理に関する規程」を作り、守る
求職者の個人情報の扱い:目的を示して必要な範囲で集める・目的の範囲で使う・適正に管理する・秘密を守る
職業安定法第5条の5・第51条と、厚生労働省の指針(平成11年労働省告示第141号)第五の要点を整理したものです。

個人情報保護法と、生成AIへの入力で気をつけること

個人情報保護法では、利用目的をできる限り特定し(第17条)、その範囲を超えて扱うときは原則として本人の同意が必要です(第18条)。病歴などの要配慮個人情報は、原則としてあらかじめ本人の同意を得なければ取得できません(第20条第2項)。

生成AIについては、個人情報保護委員会が2023年(令和5年)6月2日に「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」を出しています。事業者向けの要点は2つです。

  • 個人情報を含む指示文(プロンプト)を入力するときは、特定した利用目的の達成に必要な範囲内であることを十分に確認する
  • 本人の同意なく入力した個人データが、応答の出力以外の目的で扱われる場合は、法律の規定に違反することとなる可能性がある。そのため、サービスを提供する事業者が入力データを機械学習に使わないこと等を十分に確認する

ここに書いたのは2026年9月時点の条文と公的資料の要点です。個人情報保護法は2026年7月17日に改正法が公布され、施行に向けて政令・規則などの整備が進んでいます。施行の時期と改正後の内容もあわせて確かめ、運用が法令に合っているかの最終判断は、管轄の労働局や弁護士などの専門家に確認してください。

社内ルールに書いておく5つのこと

少人数の会社の運用に落とすと、次の5つになります。

  1. 入力してよい情報と、入れない情報:氏名や連絡先など本人を特定できる情報は外し、仮の番号に置き換えて入力するのを基本にします。ただし、社内の台帳で本人が分かる以上、個人情報であることは変わらないため、2〜5のルールも守ります。指針で集めないとされている事項や要配慮個人情報は入力しません。
  2. 使うサービスの条件:入力内容が学習に使われない設定や契約になっているか、保存期間、アクセスできる人の範囲を確認し、確認したサービスだけを使います。担当者個人のアカウントで業務の情報を扱わないことも決めておきます。
  3. 目的の明示と同意:登録時に示す利用目的に、面談記録の作成や求人との照合のために、AIを含むシステムで処理することを具体的に書きます。必要な範囲を超える使い方に同意を求めるときは、内容を具体的に示し、同意を紹介の条件にしません。面談を録音する場合は、その場で目的を伝えて了承を得ます。
  4. 保存と削除:AIに渡した原文と出力をどこに保存し、いつ消すかを決めます。不要になった記録を残し続けないようにします。
  5. 人の確認:AIの出力を、確認しないまま求職者や企業に出しません。誰が確認したかが分かる形にしておきます。

この5つは、指針が職業紹介事業者に求めている「個人情報の適正管理に関する規程」とあわせて整えておくと、担当者が増えても運用がぶれません。

AIに入れる前の5つのルール:入れる情報・使うサービス・目的と同意・保存と削除・人の確認
ルールは文書にし、全員が同じ使い方をできる状態にします。
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競合分析をAIに渡す|「どこで戦うか」の材料をそろえる

立ち上げ期の最初の判断は、どの領域・地域で求職者と求人を集めるかです。判断は人が持ちますが、判断の材料を集める作業はAIに向いています。

AIに集めさせる情報

  • 同じ地域・職種で公開されている求人の数と条件(年収帯・雇用形態・求める経験)
  • その領域で活動している紹介会社の打ち出し方(得意領域、求職者向けの訴求、サイトの構成)
  • 求職者が検索しそうな言葉と、その言葉で上位に出ているページの傾向
  • 自社の本業の顧客接点と重なる職種・業種

対象は公開されている情報だけなので、この工程では求職者の個人情報を扱いません。ただし、サイトによっては利用規約で情報の自動収集を禁じていることがあるため、集め方は規約の範囲で行います。AIがまとめた数字や要約には誤りが混ざることがあるので、使う前に元のページで確かめます。

人が決めること

比較表から「どこなら自社の接点が活きるか」「どこは先行者が強すぎるか」を決めるのは人です。経験や市場を見ずに領域を決めると、その領域に強い紹介会社と正面からぶつかります。自社の強み、市場の状況、目指す数字から決め、本業の接点がある領域から始めるのが基本です。

競合分析の分担:AIが公開求人と紹介会社の打ち出し方を集めて比較表にし、人がどこで戦うかを決める
競合の打ち出し方は変わるため、比較表は定期的に作り直します。
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求職者データベースをAIで育てる|掘り起こせる記録にする

少人数の紹介会社にとって、過去に面談した求職者の記録は、新しく集めるより早く使える資産です。

ところが、記録が担当者ごとのメモや自由記述のままだと、新しい求人が来たときに「この求人に合う人は過去にいたか」を探せません。AIは、形のそろっていない記録を同じ形に整える作業が得意です。

派遣の登録者など、本業で求職者の記録をすでに持つ会社の始め方は派遣会社が人材紹介を始めるにはで整理しています。

記録の型を決める(タグの設計)

面談記録をAIで整理するときは、先に「どの項目で整理するか」を人が決めます。たとえば次のような項目です。

項目 記録する内容の例
経験 職種・業界・年数、担当した業務の範囲
スキル・資格 仕事で使ってきた技能、保有資格
希望 職種・勤務地・年収・働き方
時期と温度感 いつまでに転職したいか、今どのくらい動いているか
見送りの記録 紹介したが見送った求人と、その理由
次の連絡 次に連絡する時期と、そのとき確認すること

項目が決まっていれば、AIは面談記録からそれぞれを抜き出して下書きし、人は確認して登録するだけになります。項目には、指針で集めないとされている事項を含めないように設計します。

求職者データベースの記録の型:経験・スキル資格・希望・時期と温度感・見送りの記録・次の連絡
項目は人が決め、AIは面談記録からその項目に沿って下書きします。

過去の求職者を新しい求人に当て直す

記録が同じ形でそろうと、新しい求人が入ったときに、経験と希望が合いそうな過去の求職者をAIに候補として挙げさせられます。そのうえで、今も転職を考えているか、前回の見送り理由が解消されているかを見て、連絡するかを人が決めます。

登録時に示した利用目的の範囲内での連絡かどうかも、あわせて確認します。また、自社の紹介で入社した人(期間の定めのない雇用)には、入社した日から2年間、転職を勧めてはいけません(厚生労働省の指針 第六の五)。データベースに「自社の紹介で入社」と入社日を記録し、この期間の人は当て直しの対象から外します。

新しい求人が入る→AIが過去の求職者から候補を出す→人が意向と見送り理由を確認して連絡を決める
当て直しができると、時期を変えて別の求人を案内できます。
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面談記録と推薦文をAIで下書きする|人は面談そのものに集中する

面談記録と推薦文は、毎日発生し、型があり、人が確認できる作業です。導入の最初の一歩に向いています。

面談記録:録音・文字起こしの前に、目的を伝える

面談を録音して文字に起こし、AIで要約する流れにすると、面談中にメモを取ることに気を取られず、相手の話を聞くことに集中できます。要約は「経歴」「希望」「懸念」「次に確認すること」のように、前の章で決めた記録の型に合わせて出させます。

録音や文字起こしをする場合は、面談の最初に、何のために記録するのか、どこに保存するのかを伝えて了承を得ます。求職者が話したくないことを無理に記録に残さないことも大切です。

AIの要約には、言っていないことが混ざったり、言ったことが抜けたりすることがあります。要約は面談の直後、記憶が新しいうちに担当者が確認します。

面談記録の流れ:目的を伝えて了承→面談→文字起こし→AIが要約→担当者が確認して登録
確認は面談の直後に。時間がたつほど誤りに気づきにくくなります。

推薦文:AIの下書きを人が直す3つの観点

AIには、経歴と求人要件を突き合わせて合う点と懸念点を整理させ、推薦文の下書きを作らせます。そのうえで、担当者は少なくとも次の3つを確認します。

  1. 事実と合っているか:経歴・年数・資格が面談記録と一致しているか。実際より大きく書いていないか。
  2. 本人の意向と合っているか:本人が望んでいない求人に、条件だけで当てはめていないか。
  3. 企業に伝えてよい内容か:本人の了承なく伝えるべきでない事情が入っていないか。

推薦するかどうかを決めるのは人です。AIが「合う」と整理しても、面談で感じた懸念があれば推薦しない判断もあります。

推薦文の下書きを人が直す3つの観点:事実と合っているか・本人の意向と合っているか・企業に伝えてよいか
3つとも、面談をした担当者にしか確かめられないことです。
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人材紹介のアポリストをAIで作る|求人開拓の準備を短くする

「人材紹介 アポリスト」で調べると電話営業のコツが並びますが、少人数でまず時間を取られるのは、電話の前のリストづくりです。

立ち上げ期は、求人データベースで推薦先を確保しながら、自社の求人開拓も並行して始めるのが現実的です。その準備であるリストづくりはAIに渡せます。

アポリストに入れる項目と、優先度のつけ方

アポリストの元になるのは、企業が自ら公開している求人情報や会社情報です。AIに次の項目で整理させます。

  • 企業名・業種・所在地
  • 採用中の職種と、公開されている条件
  • 募集の出し方(掲載の時期、同じ職種を繰り返し募集しているか)
  • 自社の求職者データベースに、その職種の経験者がいるか
  • 本業の取引や接点があるか

優先度は、「自社に推薦できる求職者がいるか」と「本業の接点があるか」を重く見ると、会ってからの話が具体的になります。AIが付けた優先度は目安で、どの企業から当たるかは人が決めます。

会社の所在地や代表電話のような法人の情報と違い、採用担当者の氏名などは個人情報にあたります。リストに入れる場合は、第3章のルールに沿って管理します。

初回連絡文の下書きと、結果をリストに戻す流れ

初回の連絡文は、企業ごとに「なぜ連絡したのか」が伝わる形でAIに下書きさせます。公開求人のどの職種について、自社のどんな経験を持つ求職者なら紹介できそうかを、1〜2文で書くのが基本です。たとえば「御社が募集中の◯◯職について、同じ業務の経験がある方をご紹介できる可能性があり、ご連絡しました。募集の背景を伺えれば、合う方がいるかをお伝えします。」のような形です。

送る前に、担当者が内容と宛先を確認します。メールで送るなら特定電子メール法の対象になるため、送ってよい相手か(アドレスを公表している企業など)と、送信者の名称・配信停止の連絡先の表示も確かめます。

連絡した結果(つながった・断られた・時期を改めて・面談設定)は、必ずリストに戻します。結果が貯まると、どの業種・職種・規模の企業で話が進みやすいかをAIに集計させ、次のリストの優先度に反映できます。

アポリスト作成の流れ:AIが公開情報から拾う・並べる・連絡文を下書き、人が選んで連絡し、結果をリストに戻す
AIが作るのは「候補」と「下書き」まで。連絡するかどうかは人が決めます。
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少人数で人材紹介を運営する体制例|1名・2名・3名で何を分けるか

AIをどこまで使うかは、人数によって変わります。次の表は支援実績の集計ではなく、分け方を考えるための例です。自社の業務量と求人の種類に合わせて置き換えてください。

人数 人が持つ役割 AIに渡す作業の中心 注意点
1名 CA・RAの両方、推薦の判断 面談記録の要約、推薦文の下書き、アポリスト、週次の集計 確認の時間を先に確保する。休むと止まるので、記録を必ずデータベースに残す
2名 CAとRAを分ける、または2名とも両面を担当 上に加えて、CA・RA間の引き継ぎメモ、求職者データベースの当て直し 記録の型を2人でそろえる。AIの出力を誰が確認するかを決める
3名 CA2名とRA1名など 上に加えて、競合分析の定期更新、決定・見送り事例のナレッジ化 個人情報を扱える人の範囲と権限を分ける

職業紹介責任者の選任や兼務には決まりがあるため、体制を組むときは管轄の労働局に確認してください。

1名で始めるとき

1名の場合、AIに渡す作業を増やすほど確認の時間が1人に集中します。最初は面談記録と推薦文だけに絞り、確認の時間を予定に先に入れておくと回りやすくなります。兼任なら、人材紹介に使う時間を週単位で決めておきます。

2名以上に増えたとき

2名になると、記録の書き方の違いが問題になります。AIに要約させるときの型を共通にしておけば、担当が変わっても同じ形の記録が残り、求職者データベースとして使える状態を保てます。

少人数の体制例:1名(両面担当)・2名(CAとRA)・3名(CA2名とRA1名)で、人の役割とAIに渡す作業を分ける
人数が増えるほど、記録の型と確認する人をそろえることが大切になります。
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人材紹介のAI導入と効率化を進める4つのステップ

AIの導入は、全部を一度に始める必要はありません。少人数の会社では、次の順番で1つずつ広げるのが現実的です。

ステップ1:ルールを決める

第3章の5つのルールを文書にし、使うサービスを決めます。ここを飛ばすと担当者ごとに違う使い方が始まり、あとからそろえるのに手間がかかります。

ステップ2:記録から始める

面談記録の要約と推薦文の下書きから始め、記録の型もここで決めます。

ステップ3:データベースを育てる

記録が同じ形で貯まってきたら、タグで整理し、新しい求人が入るたびに過去の求職者を当て直す運用に広げます。

ステップ4:外に向ける

最後に、競合分析と求人開拓のアポリスト、週次の数字の集計へ広げます。外に向ける作業は相手のある仕事なので、記録とルールが固まってから広げます。

人材紹介にAIを導入する4つのステップ:ルールを決める→記録から始める→データベースを育てる→外に向ける
各ステップで「人が確認する箇所」を決めてから次へ進みます。
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人材紹介のAI活用でよくあるつまずきと、確かめ方・打ち手

AIを入れたのに効率化につながらないときは、次の4つを確かめてください。

下書きの確認が追いつかない

確かめ方
AIの出力の確認に、1日のうちどれだけの時間を使っているか
打ち手
AIに渡す業務を一度絞り、出力の項目と順番を固定する。型が決まると確認が速くなります

入力のルールが人によって違う

確かめ方
担当者ごとに、何をどのサービスに入れているかを聞き取る
打ち手
第3章の5つのルールを文書にし、使うサービスをそろえる

記録の形がバラバラで、データベースとして使えない

確かめ方
新しい求人が来たとき、過去の求職者からすぐに候補を探せるか
打ち手
記録の項目を決め、AIの要約をその項目に合わせて出させる

一度に全部を自動化しようとしている

確かめ方
業務ごとに、人が確認する箇所が決まっているか
打ち手
4つのステップに戻り、1つずつ広げる
AI活用のつまずき4つ:確認が追いつかない・入力ルールが人によって違う・記録の形がバラバラ・一度に全部を自動化
つまずきの多くは、AIの性能ではなく業務の組み方で解けます。
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数字で回す|AIが集計し、人が打ち手を決める

少人数の人材紹介では、決定数だけを追っても、何を直せばよいかが見えません。登録→面談→推薦→面接→内定の段階ごとの数を毎週並べると、落ちている段階が分かります。

集計と「前の週と比べてどこが落ちたか」の指摘はAIに任せ、打ち手は人が決めます。落ちている段階ごとに、見直す場所は次のように変わります。段階ごとの確かめ方は人材紹介で2件目の決定が出ないときで解説しています。

落ちている段階 見直す場所
登録が少ない 求職者の集め方(本業の接点・LP・媒体)
登録から面談に進まない 最初の連絡までの速さと、連絡の内容
面談から推薦に進まない 推薦できる求人の幅、求職者データベースの当て直し
面接・内定で落ちる 推薦文の質、企業の要件の聞き取り
週次の数字:登録→面談→推薦→面接→内定の段階ごとの数をAIが集計し、人が打ち手を決める
集計はAIに、どこを直すかの判断は人に。週に一度、同じ形で並べます。
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支援事例|少人数での立ち上げ

担当コンサルタントが個人として支援してきた立ち上げのうち、少人数で始めた2つの例です。

許可取得から1年——未経験CA1名でのスタート

支援開始時
人材紹介事業の経験者はゼロ。CA1名でスタート
最初の3か月
事業設計、求職者の集客チャネル構築、体制とKPIの整備、CAの基礎知識の座学とロールプレイ
4か月目以降
歩留まりの改善、決定単価の引き上げ、売上を伸ばす型の構築

1年後:CA1名で年間売上3,000万円超

HP制作会社——専任者1名で、自社の集客力を人材紹介に転用

既存事業
HP制作。企業の採用ページを制作する中で求人を獲得
体制と集客
専任者1名。自社LPを使った広告運用で求職者を集客
支援内容
立ち上げ支援からグロース支援へ。成約確度の引き上げに注力(期間1年)

初成約まで2か月。成約数を積む型を構築

※支援事例は、担当コンサルタントの個人としての支援実績に基づきます。いずれも成功条件3つ(集客の導線または予算がある/専任者を置ける/型どおりに実行できる)を満たしていた企業の例で、すべての企業で同様の成果を保証するものではありません。少人数体制での立ち上げの例として掲載しており、AIの活用だけによる成果を示すものではありません。

共通するのは、人数が少なくても集客の導線・専任者・型がそろっていたことです。AIは、その型を少人数で回し続けるための道具です。

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LAPUPの人材紹介事業 立ち上げ支援と「AI HR」

LAPUPは、もともと求人媒体の運用改善や採用LPを手がける採用支援の会社で、AI導入の支援も行っています。人材紹介事業の立ち上げ支援では、立ち上げと同時に、型のある作業をAIに渡し、人が持つ判断を残す形で業務を組みます。ツールの提供ではなく、業務の組み方の設計です。この組み方を「AI HR」と呼んでいます。どこまでをAIに任せるかは御社の体制に合わせて最初に決め、AIの下書きは担当者が確認してから使う前提で組みます。

AIの使い方の詳細は人材紹介立ち上げ支援のページ(AIの業務への組み込み)に、AI導入そのものの支援はAI導入コンサルティングに、採用業務へのAIの組み込み方は採用支援(AI HR)にまとめています。許可の取り方や依頼先の選び方は人材紹介の立ち上げ支援・立ち上げコンサルの選び方をご覧ください。

担当
コンサルタント

溜貝 佳央梨(ためがい かおり)

LAPUP株式会社 COO/人材紹介事業 立ち上げ支援 担当

  • 大手上場企業で採用・採用広報を担当
  • HRTech企業で採用企業の支援に従事
  • 人材紹介の両面型コンサルタントとして、個人売上 年間約6,000万円(CA売上)
  • 人材紹介事業の立ち上げ・グロースを、個人として150社以上支援(2026年9月時点)
無料相談でできること(現状のヒアリング・進め方の説明・費用の目安)と、有料の支援に含まれること(事業性診断・参入領域の選定・収支シミュレーション・接点の棚卸し)
事業性の診断は有料の支援に含まれるため、無料相談の場では行っていません。

少人数で人材紹介を回す設計を、まず30分だけ一緒に整理しませんか。

これから始める方も、許可を取ったが人手が足りず回っていない方も対象です。AIに渡せる作業と、条件が揃っているかどうかを、率直にお伝えします。

FAQ

よくある質問

人材紹介では、AIをどの業務に活用できますか?

競合分析、求職者データベースの整理、面談記録の要約、推薦文の下書き、アポリスト作成、週次の集計に使えます。AIが作るのは材料と下書きまでで、連絡する相手や推薦の判断は人が持ちます。

少人数でも人材紹介は運営できますか?

作業をAIに渡し、人は面談と判断に時間を使う形にすれば、少人数でも回る体制は作れます。ただし、集客の導線または予算、専任者、型どおりに実行することの3つがそろっていることが前提です。

求職者の個人情報をAIに入力してもよいですか?

職業安定法第5条の5は、求職者の個人情報を業務の目的に必要な範囲で、目的を明らかにして集め、その範囲で使うことを求めています。個人情報保護委員会も、生成AIへの入力は利用目的の範囲内かを確認し、入力データが機械学習に使われないこと等を確認するよう注意喚起しています。本人を特定できる情報を外すなど社内ルールを先に決め、最終判断は労働局や専門家に確認してください。

AIが書いた推薦文をそのまま企業に送ってもよいですか?

おすすめしません。AIの下書きには事実と違う内容が混ざることがあります。経歴が面談記録と合っているか、本人の意向と合っているか、企業に伝えてよい内容かの3点を担当者が確認し、推薦するかどうかも人が決めます。

人材紹介のアポリストはAIで作れますか?

作れます。企業が公開している求人情報から採用中の企業を拾い、推薦できる求職者がいるか、本業の接点があるかで優先度をつけたリストと、初回連絡文の下書きまでをAIに任せられます。どの企業に連絡するかは人が決め、結果をリストに戻します。

AIを入れると、どのくらい時間が減りますか?

業務の組み方と体制、扱う求人によって変わるため、一律の数字はお伝えしていません。確認の手間が増えて逆に遅くなることもあるため、面談記録と推薦文など確認しやすい作業から1つずつ広げるのがおすすめです。

どのAIツールを使えばよいですか?

特定のツールは挙げていません。選ぶときは、入力内容が学習に使われない設定や契約か、保存期間とアクセスできる人を管理できるか、不要な記録を削除できるかを確認してください。大切なのは、どの作業を渡しどの判断を残すかという業務の組み方です。

許可を取る前から、AIの準備をしたほうがよいですか?

ルールと記録の型は、許可を取る前に決めておくと始めやすくなります。求職者の個人情報を扱い始めてからルールを作ると、担当者ごとに違う使い方が先に広がるためです。競合分析は求職者の個人情報を扱わないので、許可の前から始められます。

出典:職業安定法 第5条の5・第51条(e-Gov法令検索)。厚生労働省「職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者等がその責務等に関して適切に対処するための指針」(平成11年労働省告示第141号)第五・第六の五。個人情報の保護に関する法律 第17条・第18条・第20条(e-Gov法令検索)。個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(令和5年6月2日)、「令和8年 改正個人情報保護法について」。特定電子メールの送信の適正化等に関する法律 第3条・第4条(e-Gov法令検索)。AIに任せる作業と人が持つ判断の分け方・支援事例・担当コンサルタントの経歴は、LAPUP「人材紹介事業 立ち上げ支援」ページ(2026年9月時点)の内容に基づく。いずれも2026年9月30日に確認。

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