派遣会社が人材紹介を始めるなら、
登録者の「活かし方」から設計する。
許可要件と申請の流れ、派遣と紹介の違い、兼業のルール、登録者を紹介につなげる方法を、厚生労働省の一次資料と担当コンサルタント(個人として150社以上の立ち上げ・グロースを支援)の視点で整理しました。
有料職業紹介の財産的要件(1事業所)
500万円基準資産額
申請から許可まで
2〜3か月(おおむね)
全国の有料職業紹介 許可事業所
34,348事業所
「派遣会社で人材紹介を始めるには、何が必要か」「人材派遣と人材紹介は、事業として何が違うのか」。労働者派遣の許可はすでにお持ちで、有料職業紹介の許可はまだない会社から、こうしたご相談をいただきます。
派遣会社には、人材紹介の立ち上げで時間がかかりやすい「求職者との接点」と「企業との接点」がすでにあります。一方で、派遣の登録者や取引先を、そのまま紹介の求職者・求人者として扱えるわけではありません。この記事では、許可の取り方と、派遣と紹介を両方行うときのルール、登録者の母集団を紹介につなげる設計を順に説明します。

- 派遣会社が人材紹介を始める前に、押さえたい3つのこと
- 人材派遣と人材紹介の違い|雇用関係・売上の立ち方・仕事の中身
- 紹介予定派遣と「派遣先での直接雇用」は、職業紹介の許可で変わる
- 有料職業紹介の許可要件|人材派遣の許可を持つ会社が確認すること
- 許可申請の流れ・費用・期間と、派遣元事業主が省略できる書類
- 派遣と紹介を兼業するときのルール|登録者はそのまま紹介できない
- 登録者の母集団を、人材紹介につなげる方法
- 派遣と紹介で変わる5つの運用|始める前の確かめ方と打ち手
- AIで少人数でも回す|派遣会社の紹介部門でAIに渡す作業
- 立ち上げから決定が続くまでの流れと、回収の考え方
- 支援事例と、LAPUPの人材紹介事業 立ち上げ支援
- よくある質問
派遣会社が人材紹介を始める前に、押さえたい3つのこと
人材紹介の立ち上げでつまずきやすいのは、許可を取っても求職者が集まる仕組みがないことです。派遣会社は、その接点をすでにお持ちです。
そのうえで、始める前に押さえておきたいことが3つあります。
- 派遣の許可とは別に、有料職業紹介の許可が必要です。人材紹介(有料職業紹介)は職業安定法にもとづく許可制で、労働者派遣法にもとづく派遣の許可では行えません。
- 派遣の登録者は、そのまま紹介の求職者にはなりません。両方を行う会社には、個人情報と申込みを事業ごとに分けるルールがあります(6章)。
- 売上の立ち方と仕事の中身が違います。派遣の経験は活きますが、推薦から内定承諾までの進め方は別に作ります。
この3つを先に設計すれば、求職者集めをゼロから始める会社より有利な位置から始められます。
派遣会社が紹介事業に参入するとき、よく伺う動機
担当コンサルタントが支援してきた会社の参入元は主に3つで、人材派遣事業はそのひとつです。よく伺う動機は次のとおりです。
- 派遣では条件が合わなかった応募者に、別の形で仕事を案内したい
- 派遣スタッフから「正社員として働きたい」という相談を受けても、応えられる手段がない
- 取引先の派遣先企業から、正社員の採用についても相談を受けるようになった
人材派遣と人材紹介の違い|雇用関係・売上の立ち方・仕事の中身
採用する企業向けではなく、事業として始める側から見た違いです。派遣の仕組みはよくご存じのはずなので、紹介と並べて何が変わるかに絞ります。
法律上の定義と雇用関係の違い
労働者派遣は、雇用主が派遣元、指揮命令をするのが派遣先です(労働者派遣法第2条第1号)。
職業紹介は、「求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんすること」と定義されています(職業安定法第4条第1項)。雇用主は求人企業で、紹介会社は雇用関係の成立を第三者として世話をする立場です。

| 項目 | 労働者派遣事業 | 有料職業紹介事業 |
|---|---|---|
| 根拠の法律 | 労働者派遣法 | 職業安定法 |
| 雇用主 | 派遣元(自社) | 求人企業 |
| 指揮命令 | 派遣先 | 雇用主である求人企業 |
| 売上の立ち方 | 派遣スタッフが働いた分、継続して入る | 入社1件ごとに手数料が入る |
| 財産的要件(1事業所) | 基準資産額2,000万円以上・現金預金1,500万円以上(原則) | 基準資産額500万円以上・現金預貯金150万円以上 |
| 置く責任者 | 派遣元責任者 | 職業紹介責任者 |
紹介の財産的要件は紹介を行う事業所の数で決まり、最近の事業年度の貸借対照表などで確認されます。満たしているかは管轄の労働局で確認してください。
売上の立ち方の違い
派遣は、スタッフが働いた時間に応じて売上が積み上がり、紹介は、求職者が入社したときに手数料が入ります。たとえば年収400万円の方が1名決まり、手数料が理論年収の30%なら、売上は約120万円です(手数料率は求人企業ごとに違います)。

仕事の中身の違い
派遣は、派遣先の業務と期間に合わせて稼働を組みます。紹介は、求職者のこれからのキャリアと企業の長期の採用を結びつけるため、求人票の読み方、面談、推薦の基準、選考の進め方が変わります。派遣の経験は土台になりますが、紹介の型は別に持ちます。
紹介予定派遣と「派遣先での直接雇用」は、職業紹介の許可で変わる
職業紹介の許可は、すでにある派遣の取引にも関わってきます。
紹介予定派遣は、派遣と職業紹介の両方の許可が前提
紹介予定派遣は、派遣の開始前または開始後に、派遣スタッフと派遣先の間で職業紹介を行い、または行うことを予定して行う派遣です。厚生労働省の資料では、労働者派遣事業と職業紹介事業の双方の許可を受け、または届出をした者が行うものとされています。
紹介予定派遣では、通常の派遣ではできない事前の面接や履歴書の送付といった「派遣スタッフを特定する行為」ができます。同じ派遣スタッフの派遣期間は6か月までで、派遣先が雇用しなかった場合は、本人の求めに応じて理由を明示する仕組みもあります。

派遣先が派遣スタッフを直接雇用したいと言ったとき
派遣の終了後に、派遣先が派遣スタッフを直接雇用したいと考えることがあります。厚生労働省の「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」では、派遣元が職業紹介の許可を受けているなどの場合には、派遣先は職業紹介によってその派遣スタッフを雇用し、派遣元に職業紹介の手数料を支払うこと等を、派遣契約で定めるよう求めることとされています。
職業紹介の許可を取り、派遣契約で取り決めておけば、派遣先での直接雇用を「紹介」として扱える道ができます。契約書の定め方は、専門家と確認してください。

有料職業紹介の許可要件|人材派遣の許可を持つ会社が確認すること
有料職業紹介の許可の主な要件は次の4つです。このほか、欠格事由に当たらないこと、業務の運営に関する規程と手数料表を備えることなども求められます。

財産的な要件
資産(繰延資産と営業権を除く)から負債を引いた「基準資産額」が500万円に事業所数を掛けた額以上、自己名義の現金・預貯金が150万円以上(2事業所目からは1事業所ごとに60万円を加算)です。派遣の財産的要件より低い水準ですが、同じ会社の決算書で判定されます。
職業紹介責任者
事業所ごとに、職業紹介に従事する人50人につき1人、専属の職業紹介責任者を選びます。責任者になる人は、申請の前に「職業紹介責任者講習会」を受講している必要があります(申請の受理日前5年以内の修了に限ります)。成年に達したあと3年以上の職業経験があることも要件です。
事務所の要件
個室やパーティションなどで、プライバシーを守って求職者や求人者に対応できる構造が求められます。代わりに、予約制で他の人と同室にならない措置、専らインターネットでの紹介(いずれも許可条件つき)、当分の間はおおむね20㎡以上の面積でも認められます。派遣と同じ事務所で行う場合も、面談の場所を決めておきます。
個人情報の管理と、派遣との区分
個人情報を扱う職員の範囲、職員への教育、開示・訂正の手続き、苦情の処理体制を定めた「個人情報適正管理規程」が必要です。派遣と兼業する場合は、個人情報を事業ごとに分けて扱う体制も許可の基準に入っています(6章)。
なお、有料職業紹介では、港湾運送業務と建設業務に就く職業は紹介できません。要件に当てはまるかの最終判断は、管轄の労働局や専門家に確認してください。
許可申請の流れ・費用・期間と、派遣元事業主が省略できる書類
申請から許可までの流れ
有料職業紹介の許可は、事業開始予定のおおむね2〜3か月前までに、管轄の労働局を経由して厚生労働大臣に申請します。
- 要件の確認:財産、責任者、事務所、個人情報の管理体制を確かめます。
- 職業紹介責任者講習の受講:責任者になる人が講習を受けます。
- 書類の準備:事業計画書、業務の運営に関する規程、個人情報適正管理規程、事務所の書類などをそろえます。
- 労働局へ申請:労働局の審査のあと、労働政策審議会への諮問を経て許可が決まります。
- 許可・事業開始:申請から許可まで、おおむね2〜3か月を見込みます。

費用と有効期間
申請手数料は1事業所で5万円(2事業所目からは1事業所ごとに1万8千円を加算)の収入印紙で、ほかに登録免許税9万円がかかります。許可の有効期間は、新規が3年、更新後は5年です。更新の申請は、有効期間が満了する日の3か月前までに行います。
派遣元事業主は、添付書類の一部を省略できる
派遣元事業主が職業紹介の許可を申請する場合、法人、代表者・役員、資産と資金に関する書類の添付を省略できることがあります。派遣の申請時の書類で内容を確認できることが条件です。職業紹介責任者の書類、業務の運営に関する規程、個人情報適正管理規程は新しく用意します。

LAPUPの立ち上げ支援では、許可申請は提携の社会保険労務士が担当し、要件の確認から申請まで並走します。
許可を取ったあとに続く手続き
許可後は、事業報告に加えて、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で、紹介で就職した人の数、無期雇用で就職した人のうち6か月以内に離職した人の数、手数料、返戻金制度の情報を提供する義務があります(令和7年4月からは上位5職種の平均手数料率も)。紹介で無期雇用に就職した人に、就職日から2年間は転職を勧めてはならないというルールもあります。担当と期限を決めておきます。
派遣と紹介を兼業するときのルール|登録者はそのまま紹介できない
派遣会社が紹介を始めるときに、いちばん見落とされやすいのがここです。
有料職業紹介の許可基準には、労働者派遣事業と兼業する場合の要件があります。求職者と派遣スタッフの個人情報を、それぞれの事業の目的に必要な範囲で集め、その目的の範囲で保管・使用できるよう、事業の運営をはっきり分けることが求められています。具体的には次の6つです。
- 本人の希望にもとづく個別の申込みがある場合を除き、同じ人について派遣の登録と求職の申込みを重複して行わず、入れ換えもしない
- 企業の希望にもとづく個別の申込みがある場合を除き、派遣の依頼と求人の申込みを重複して行わず、入れ換えもしない
- 派遣スタッフの個人情報と求職者の個人情報は、どちらの事業のために集めたものかを明確にして管理する
- 派遣先の情報と求人者の情報も、どちらの事業のために集めたものかを明確にして管理する
- 派遣の登録だけをしている人に職業紹介をしない。求職の申込みだけをしている人に派遣をしない
- 派遣の依頼だけをしている企業に職業紹介をしない。求人の申込みだけをしている企業に派遣をしない

登録者に紹介するには、本人からの求職の申込みが要る
ルールの1と5を合わせると、派遣の登録者に紹介をするには、本人の希望にもとづいて、紹介の求職の申込みを個別に受ける必要があります。派遣の登録データベースをそのまま紹介に使ったり、会社の判断で紹介側に移したりはできません。
求職者の個人情報は、業務の目的を明らかにし、その目的に必要な範囲で使うことが職業安定法で求められています。同意を得るときは内容を具体的に示し、必要な範囲を超える同意を紹介の条件にしないことも定められています。
派遣の側でも、派遣元の指針により、登録で集めた個人情報の保管・使用は収集目的の範囲に限られます。登録情報(連絡先など)を紹介の案内に使えるかは登録時に示した利用目的しだいなので、案内の方法を決める前に労働局や社会保険労務士に確認してください。
派遣先と求人者の情報も分けて管理する
企業側も同じです。派遣の取引先から正社員の採用の相談を受けたら、その企業から求人の申込みを受けてから紹介を行います。派遣先の情報を、紹介の営業にそのまま流用しない運用を決めておきます。
社内で先に決めておく運用
- 登録・申込みの窓口と記録を、派遣と紹介でどう分けるか(システム上の区分、台帳)
- 登録者に紹介を案内する方法(登録情報を使えるかの確認を含む)と、申込みの受け方
- 紹介の個人情報を扱える担当者の範囲とアクセス権
ここを先に決めておくと、申請の規程と現場の運用がずれません。最終的な運用は、社会保険労務士など専門家と確認してください。
登録者の母集団を、人材紹介につなげる方法
ルールを守ったうえで、登録者の母集団は派遣会社の最大の強みです。人材紹介で最も難しい求職者との接点を、すでに持っているからです。
登録者を3つに分けて考える
派遣の登録者には、正社員として働きたい人、派遣という働き方を続けたい人、まだ決めていない人がいます。紹介の対象になるのは、本人が正社員の仕事に関心を示し、自分で紹介を申し込んだ人です。派遣を続けたい人に紹介を勧める必要はありません。

本人の申込みから始まる導線をつくる
派遣の登録情報の使い方を確認したうえで(6章)、自社サイトや登録者向けのお知らせなどで正社員の仕事も紹介できることを知らせ、希望する人が自分で紹介の求職の申込みができる導線をつくります。お祝い金などの名目で、社会通念上相当な程度を超える金銭を渡して申込みを勧めることは禁止されています。訴求するのはサービスの中身です。

派遣先企業との関係を、正社員の求人につなげる
派遣の取引先には中途採用をしている企業もあり、人事部門との関係がある分、正社員の採用の相談を受けやすい位置にいます。相談を受けたら紹介の求人として申込みを受け、派遣とは別の契約と手数料を説明して進めます。

登録者のスキルと正社員求人のずれを、先に確かめる
登録者の経験と、正社員の求人が求める経験が合わないことがあります。推薦できる求人の領域は、自社の強み、地域の市場、目指す数字から決めます。経験や市場を見ずに決めると、その領域に強い紹介会社と正面から競うことになります。
派遣と紹介で変わる5つの運用|始める前の確かめ方と打ち手
派遣で培った運用をそのまま当てはめると、紹介ではずれが出やすい点があります。確かめ方と打ち手の形でまとめます。

1. 派遣の業務と兼務にして、紹介が後回しになっていないか
急な欠員対応が優先され、紹介の面談や推薦が遅れると、求職者は他社で決まります。専任者を置くか、紹介の時間を先に確保します。
2. 求人票を「業務内容と時給」だけで読んでいないか
正社員の求人では、入社後の役割、評価と昇給、企業が長く期待することまで確かめます。ヒアリング項目を派遣の受注票とは別に作ります。
3. 推薦の基準が「すぐ働けるか」になっていないか
紹介では、本人のこれからのキャリアと、企業の長期の採用の両方に合うかが推薦の基準です。面談で確かめることと、推薦文に書くことを型にしておきます。
4. 進め方の速さを、派遣と同じにしていないか
紹介は書類選考、面接、内定、承諾と段階があります。段階ごとに連絡の期限を決め、止まっている案件がすぐ分かるようにします。
5. 見る数字が「稼働人数」のままになっていないか
紹介では、登録→面談→推薦→面接→内定→承諾のどこで落ちているかを追います。工程ごとの数を毎週並べ、「どこまで行かなければやめるか」という撤退の基準も最初に決めておきます。
AIで少人数でも回す|派遣会社の紹介部門でAIに渡す作業
紹介部門は少人数で始めることが多く、面談、記録、推薦文、求人探し、企業への連絡を同じ人が抱えます。調べる・まとめる・下書きするはAIに渡し、人は面談と判断に時間を使います。
| 作業 | AIに渡す | 人に残す |
|---|---|---|
| 求職者データベース | 紹介の求職申込みをした人の面談記録を整理し、経験・希望・資格でタグ付け。新しい求人に合う候補の抽出 | 誰に連絡するかの判断 |
| 面談 | 面談記録の文字起こし・要約、次回確認事項の洗い出し | 面談そのもの、本人の意向の見極め |
| 推薦 | 推薦文の下書き、求人との合う点・懸念点の整理 | 推薦するかどうか、推薦文の最終確認 |
| 競合分析 | 同じ地域・職種の紹介会社と、公開求人の条件や相場の整理 | どの領域で戦うかの決定 |
| 求人開拓 | 公開情報から採用中の企業を拾い、優先順位をつけたアポリストの作成、初回連絡文の下書き | 誰に会うか、条件の交渉 |
| 数字 | 登録→承諾までの工程別の集計と、落ちている段階の指摘 | 打ち手の決定 |

派遣のデータと紹介のデータを、AIの中でも混ぜない
AIで候補者データを扱うときも、6章の区分はそのまま適用されます。紹介の候補抽出に使うのは、紹介の求職申込みをした人の情報だけです。派遣の登録データを紹介の目的でAIに読み込ませない、といった線引きを、ツールを選ぶ前に決めておきます。
AIを使うときの前提:求職者の個人情報は、職業安定法と個人情報保護法の範囲で扱う必要があります。どのツールに何を入れてよいか、社外のサービスに送ってよい情報はどこまでかという社内ルールを先に決めてから使ってください。判断をAIに任せないこと、最終確認を人がすることも同じく前提です。
最初は面談記録と推薦文から始める
毎日発生する面談記録の要約と推薦文の下書きから始めると、効果が早く見えます。そのあとデータベースの整理、競合の整理とアポリスト作成へ広げます。AIの組み方は、「人材紹介のAI活用・効率化」で詳しく扱っています。
立ち上げから決定が続くまでの流れと、回収の考え方
有料職業紹介の許可は、事業開始予定のおおむね2〜3か月前までに申請します。担当コンサルタントの支援例では、許可の取得や集客の導線づくりを含めて、支援開始から初成約までが2〜4か月、成約から入金までが2〜4か月(入社の翌月末か翌々月末が多い)が目安です。入金までは紹介の売上が立たないため、短期の収益を前提にしない資金計画を最初に作ります。

1件目のあと、2件目以降を狙って出せるか
最初の1件は、知人からの紹介や取引先から出やすく、それだけでは「回り始めた」証拠になりません。2件目以降を狙って出せるかを見て、落ちている工程だけを直します。どこで止まっているかの見つけ方は、「人材紹介で2件目の決定が出ないとき」にまとめています。
支援費用は「何件決まれば回収できるか」で考える
決定1件の売上から、1件あたりの集客費と人件費を引いた額が、回収に充てられる額です。支援費用の総額をこの額で割ると、回収に必要な決定件数が出ます。

支援事例と、LAPUPの人材紹介事業 立ち上げ支援
担当コンサルタントが個人として支援してきた立ち上げのうち、2つの例です。どちらも派遣からの参入例ではありませんが、決定が続く状態をつくる条件は共通しています。
許可取得から1年——未経験CA1名でのスタート
- 支援開始時
- 人材紹介事業の経験者はゼロ。CA1名でスタート
- 最初の3か月
- 事業設計、求職者の集客チャネル構築、体制とKPIの整備、CAの基礎知識の座学とロールプレイ
- 4か月目以降
- 歩留まりの改善、決定単価の引き上げ、売上を伸ばす型の構築
1年後:CA1名で年間売上3,000万円超
HP制作会社——自社の集客力と企業とのつながりを、そのまま人材紹介に転用
- 既存事業
- HP制作。企業の採用ページを制作する中で求人を獲得
- 体制と集客
- 専任者1名。自社LPを使った広告運用で求職者を集客
- 支援内容
- 立ち上げ支援からグロース支援へ。成約確度の引き上げに注力(期間1年)
初成約まで2か月。単価より成約数を積む型で売上を構築
※支援事例は、担当コンサルタントの個人としての支援実績に基づきます。いずれも成功条件3つ(集客の導線または予算がある/専任者を置ける/型どおりに実行できる)を満たしていた企業の例で、すべての企業で同様の成果を保証するものではありません。
担当コンサルタント
LAPUPは、もともと求人媒体の運用改善や採用LPを手がける採用支援の会社です。人材紹介事業の立ち上げ支援では、担当コンサルタントが個人として150社以上の立ち上げ・グロースを支援してきた経験をもとに、許可取得から決定が続く状態までを伴走します。依頼先のタイプごとの違いは、「人材紹介の立ち上げ支援・立ち上げコンサルの選び方」で比べています。
コンサルタント
溜貝 佳央梨(ためがい かおり)
LAPUP株式会社 COO/人材紹介事業 立ち上げ支援 担当
- 大手上場企業で採用・採用広報を担当
- HRTech企業で採用企業の支援に従事
- 人材紹介の両面型コンサルタントとして、個人売上 年間約6,000万円(CA売上)
- 人材紹介事業の立ち上げ・グロースを、個人として150社以上支援(2026年9月時点)。参入元の一つが人材派遣事業
紹介で要るのは、その接点を法令に沿って紹介の申込みに変える導線と、”決定”まで進める型です。
- 派遣と紹介の区分を踏まえて、登録者への案内と申込みの導線を設計します
- 求人は、求人データベースと自社開拓を並行します
- 面談記録・推薦文の下書き・競合分析・アポリスト作成など、AIに渡す作業と人が持つ判断を最初に分けます(AIの使い方の詳細)
- 撤退基準を先に決め、「やらない方がいい」という結論も出します
初回30分の相談は無料で、現状のヒアリング、進め方のご説明、費用の概算レンジまでをお伝えします。参入領域の選定や収支シミュレーションといった事業性の診断は、有料の支援に含まれます。費用と補助金・助成金の考え方は、人材紹介立ち上げ支援のページに載せています。

派遣の登録者を、紹介の決定につなげる設計を。まず30分、現状を聞かせてください。
派遣の許可をお持ちで、これから紹介を始める会社も、許可を取ったが決定が続かない会社も対象です。条件がそろっているかどうかも、率直にお伝えします。
あわせて読みたい
よくある質問
派遣の許可があれば、人材紹介もできますか?
できません。人材紹介(有料職業紹介)は職業安定法にもとづく許可制で、労働者派遣法の許可とは別に、有料職業紹介事業の許可を取る必要があります。
人材派遣と人材紹介の違いは何ですか?
雇用主が違います。派遣は派遣元が雇用して派遣先が指揮命令し、紹介は雇用関係の成立をあっせんするもので雇用主は求人企業です。売上は、派遣は稼働に応じて継続、紹介は入社1件ごとです。
派遣の登録者に、人材紹介の求人を案内してもよいですか?
紹介を行うには、本人の希望にもとづいて紹介の求職の申込みを個別に受ける必要があります。派遣の登録だけをしている人に職業紹介をしないことが、許可基準で定められています。案内に派遣の登録情報を使えるかは登録時に示した利用目的しだいなので、事前に労働局や専門家に確認してください。
派遣会社が有料職業紹介の許可を申請すると、書類は減りますか?
派遣元事業主が申請する場合、法人・役員・資産と資金に関する書類を省略できることがあります(派遣の申請書類で確認できる場合)。責任者の書類や紹介用の規程は新しく用意します。
許可の要件は資本金500万円ですか?
いいえ。基準資産額(資産−負債)が500万円以上、現金・預貯金が150万円以上です(いずれも1事業所の場合。事業所が増えると要件も上がります)。最終的な判断は管轄の労働局や専門家に確認してください。
許可申請にはどのくらいの期間と費用がかかりますか?
申請から許可まで、おおむね2〜3か月を見込みます。手数料は1事業所で5万円(収入印紙)、ほかに登録免許税9万円がかかります。許可の有効期間は新規3年、更新後5年です。
紹介予定派遣を始めるにも、職業紹介の許可が必要ですか?
必要です。紹介予定派遣は、労働者派遣事業と職業紹介事業の双方の許可を受け、または届出をした者が行うものです。同じ派遣スタッフの派遣期間は6か月までです。
派遣先が派遣スタッフを直接雇用したいと言ってきたら?
派遣元が職業紹介の許可を持っている場合、派遣先が職業紹介によって雇用し、派遣元に手数料を支払うこと等を派遣契約で定めるよう求めることが、派遣元の指針に示されています。契約の定め方は専門家と確認してください。
出典:職業紹介の定義・許可基準・兼業の区分・申請・許可後の義務は、厚生労働省・都道府県労働局「職業紹介事業パンフレット-許可・更新等手続マニュアル-」(令和7年4月)。紹介予定派遣・派遣先での直接雇用・派遣の登録情報の扱い・派遣の財産的要件は、厚生労働省「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」「労働者派遣事業を適正に実施するために-許可・更新等手続マニュアル-」。許可事業所数は厚生労働省「人材サービス総合サイト」の全件集計(令和8年9月1日現在)。期間・事例・費用の考え方はLAPUP「人材紹介事業 立ち上げ支援」ページ(2026年9月時点)。

