ChatGPTが自社のサービス内容を間違えて答える|誤解が生まれる4つの場所

AI・AIO/LLMO

「ChatGPTに自社のことを聞いたら、やっていないサービスをやっていると答えた」「主力の事業が、おまけのように説明された」。社名は出るのに、中身が違う。先に結論を書きます。AIが自社のサービスを間違えて説明するとき、原因の多くはAIの側ではなく、自社サイトの上でサービスの意味が確定していないことにあります。誤解が生まれる場所は、①サービスの名前がページごとに揺れている、②1ページに複数のサービスが同居している、③説明が形容詞と比喩でできている、④機械がページの構造を読めていない、の4つにほぼ集約されます。この記事では、4つの場所の見分け方と、自社がどこで誤解を生んでいるかを費用ゼロで確かめる手順、直す順番を書きます。口コミや比較サイトなど第三者の情報が間違っているケース、同名の別会社と混同されるケース、存在しない料金や実績を答えるケースは別の問題なので、ここでは扱いません。

「AIが間違えている」のではなく、「決められない」ことが多い

ChatGPTが自社のサービスを間違えて説明したとき、最初に出る反応は「AIが適当なことを言っている」です。そう見える場面は確かにあります。ただ、当社が自社サイトとお客様のサイトで確認してきた範囲では、AIが自社サイトを読んだうえで、それでも意味を確定できず、周辺の情報で埋めているケースのほうが多く見つかります。

たとえば、サイトの中で同じサービスが「採用支援」「採用コンサルティング」「リクルーティングサポート」と3通りに書かれていれば、機械はそれが1つのサービスなのか3つなのかを決められません。1ページにサービスを5つ並べて説明していれば、どこからどこまでが1つのサービスの説明なのかを決められません。決められないまま文を作ると、結果として「間違った説明」になります。

この見方に立つと、対策が変わります。AIに文句を言っても直りませんが、自社サイトの上で意味を確定させることは自社でできます。ここから先は、その確定が抜けやすい4つの場所を順に見ていきます。

誤解が生まれる4つの場所

当社が点検に使っている区分です。上の行ほど手前で起きていて、手前の問題が残っていると後ろを直しても効きません。

場所 サイト上で起きていること AIの答えに出る症状 触っても動かないもの
① 名前の揺れ 同じサービスが、ページやメニューによって違う名前で書かれている。逆に、違うサービスに似た名前がついている 1つのサービスが2つに分かれて説明される。やっていないサービスが「ある」ことになる 記事を増やす・説明文を長くする
② 1ページに複数サービス サービス一覧が1ページに並び、それぞれの説明が数行で終わる。個別ページが無い 主力と付随が入れ替わる。別のサービスの特徴が混ざって説明される トップページの文言の調整
③ 形容詞と比喩 「トータルサポート」「伴走型」「ワンストップ」など、何をするかが書かれていない言葉で説明している AIが一般的な意味で言葉を補い、実際より広い(または狭い)サービスとして説明する 構造化データ・llms.txt の追加
④ 機械が読めない構造 見出しの階層が崩れている、本文が画像や後から読み込まれる部分に入っている、AIのプログラムが遮断されている サイトを読まずに、求人媒体や登録サイトなど外部の短い記述から説明が組まれる 本文の書き直し(読めていないので届かない)

①〜③は「書き方」の問題で、④は「届き方」の問題です。順番として、④が閉じていれば①〜③をどれだけ直しても変化は出ません。逆に、④が通っていても①〜③が残っていれば、AIは読んだうえで間違えます。

費用ゼロで、どこで誤解が生まれているか確かめる

必要なのは、ChatGPTなどの対話型AIと、自社サイト、それに紙1枚です。30〜40分で一巡します。社名を出しても自社が全く出てこない段階の切り分けはChatGPTに聞いても自社が出てこないに書いたので、ここでは「社名は出るが中身が違う」段階から始めます。

手順1:AIの説明と、自社の言葉を横に並べる

「◯◯(自社名)は、誰にどんなサービスを提供していますか。サービスごとに分けて教えてください」と聞きます。返ってきた答えを、サービス単位で1行ずつ紙に書き出します。隣の列に、自社が公式に使っているサービス名と一文の説明を書きます。

並べると、ずれ方が3種類に分かれます。数が合わない(自社は3つなのにAIは5つ挙げる、あるいは2つしか挙げない)なら①か②、名前は合うが中身が違うなら③、そもそも自社サイトに無い言い回しで説明されているなら④の疑いが強くなります。この時点で当たりはほぼつきます。

手順2:出典を開いて、自社サイトかどうかを見る

出典が示されるAIであれば、リンクを開きます。見るのは1点だけで、サービスの説明の根拠が自社サイトのページなのか、外部のページなのかです。外部(求人媒体・会社情報サイト・まとめ記事)だけで組まれていれば④、自社サイトが出典になっているのに中身が違えば①〜③です。出典の差が答えの差になる仕組みはAI検索で競合ばかり出てくるで扱っています。

手順3:該当するサービスのページを開き、「一文で何のサービスか」を言えるか見る

手順1でずれたサービスのページを1つだけ開きます。無ければ、それ自体が②です。あれば、そのページの最初の画面だけを読んで、「このサービスは、誰の、何を、どうするものか」を一文で言えるか試します。言えなければ③です。「トータルサポート」「伴走」のような言葉は、人が読めば会社の雰囲気は伝わりますが、機械が意味を確定させる材料にはなりません。

あわせて、サイト内検索やメニューで、同じサービスが別の名前で呼ばれていないかを見ます。メニューでは「Web制作」、ページ見出しでは「サイト構築」、フッターでは「ホームページ作成」のように揺れていれば①です。

手順4:機械がそのページを読めているかを確かめる

④の確認です。AIのプログラムがサイトを取得できているかは、robots.txt の読み方と到達確認の手順をAIに読ませる前に、締め出していないかに書きました。当社サイトでは、AIクローラー6種を名乗った取得がすべて正常応答(200)であることを確認しています(2026年8月16日・実績ページで測定)。

取得できていても、構造が読めていないことがあります。当社自身の例を出すと、自社サイトの実績ページは最初の版で、セクションの見出しと個別案件の見出しが同じ階層になっていました。人には読めますが、機械には「どれが章で、どれが節か」が分かりません。さらに公開直後には、WordPressの自動整形が構造化データの中の空行まで変換してしまい、機械が読めない壊れた状態になっていました。どちらも、公開後に実ページを機械で読み直す検証をしていたから気づけたものです。この経緯は自社サイトを、AIに読ませる設計で作り直した全記録に公開しています。「入れたつもり」「書いたつもり」が、機械側では成立していないことは珍しくありません。

直す順番は、④ → ① → ② → ③

4つを同時に直そうとすると、サイト全面リニューアルの話になって止まります。手順1〜4で当たりのついた場所から、次の順で1つずつ動かします。

  1. ④が閉じているなら、まず届く状態にする。遮断の解除、見出し階層の修正、本文を最初のHTMLに入れること。ここが通らないうちは、書き方の修正は届きません。
  2. ①名前の揺れを、1サービス1名称に固定する。メニュー・見出し・フッター・会社概要のすべてで同じ名前を使います。新しく書く作業ではなく、揃える作業です。
  3. ②1サービス1ページに分ける。一覧ページは残して構いませんが、各サービスに、そのページ単体で意味が確定する個別ページを持たせます。ページ数が増えることより、境界がはっきりすることが目的です。
  4. ③形容詞を、「誰の・何を・どうする」に置き換える。最初の画面の一文を書き直すだけで、機械が確定させられる材料になります。実績の数字を足すのはその後で、数字は数え方の条件つきで書きます。

構造化データや llms.txt は、ここまでが終わってから当てる注釈です。本文で意味が確定していないものに注釈を付けても、注釈が本文の代わりに意味を作ることはありません。この順番の理由はAIに読ませるべき自社情報の優先順位と構造化データは入れる意味があるのかに書いています。

※ ここに書いた4つの場所は、当社が自社サイトとお客様サイトの点検で使っている整理の型です。当社は自社サイトの見出し階層と構造化データの欠陥を公開して直してきましたが、直した結果としてAIの説明が改善した率を計測できているわけではありません。順番どおりに直せば必ずAIの説明が正しくなる、という性質のものではなく、まず自社がどの場所で止まっているかの確認に使ってください。当社の無料診断でも、まずこの4つの場所の確認から行っています。

この考え方の呼び名

ここまで、専門用語を使わずに書いてきました。最後に名前を渡しておきます。

①で扱った「この名前は、どのサービスを指すのか」を機械が一意に扱えるようにする作業は、エンティティ(機械が扱う「もの」の単位)の確定と呼ばれ、複数の意味に取れる言葉をどれか1つに決めることは曖昧性の解消(ディスアンビギュエーション)と呼ばれます。③で扱った「形容詞ではなく確認できる事実で書く」ことは、検索エンジンの評価基準として知られるE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の考え方と重なります。そして、会社の情報がAIから見てどう読めるかを設計する領域全体はAIO(AI Optimization)・LLMO(Large Language Model Optimization)・GEO(Generative Engine Optimization)と呼ばれ、従来のSEO(検索エンジン最適化)の隣に増えた領域として扱われています。

名前は最後で構いません。先に必要なのは、AIの説明と自社の言葉を横に並べることです。当社がこの領域をどう扱っているかはAIに選ばれる設計のページに公開しています。

よくある質問

ChatGPTに「それは間違いです」と伝えれば、直りますか。

その会話の中では訂正されますが、他の人が聞いたときの答えは変わりません。AIの答えは、その時点で読める情報から毎回組み立てられるため、直す場所は会話ではなく、AIが読みに行く自社サイトの側になります。手順1〜4で、どの場所で誤解が生まれているかを先に確かめてください。

サービスが1つしかない会社でも、間違えられることはありますか。

あります。その場合は②ではなく、①か③が原因になっていることが多いです。1つのサービスを場面ごとに違う名前で呼んでいたり、説明が「トータルサポート」のような言葉だけで、何をするかが書かれていなかったりすると、AIは一般的な意味で補って説明します。手順3の「一文で何のサービスか」の確認が最初の入口になります。

構造化データを入れれば、正しく説明されるようになりますか。

本文で意味が確定していない状態で入れても、注釈が意味を作ることはありません。構造化データは、ページに書かれている事実を機械が誤解しないための注釈です。当社自身、入れたつもりの構造化データが公開直後に壊れていた経験があり、入れることと読めていることは別だと考えています。順番としては、④→①→②→③を直した後に当てるものです。

日によってAIの答えが変わります。どの答えを基準にすればいいですか。

1回の答えで判断しないでください。AIの回答は同じ質問でも揺れます。当社では日を変えて複数回聞き、毎回同じサービスで同じ種類のずれが出るかを見ています。毎回同じ場所でずれるなら、それは揺れではなく、自社サイト側で意味が確定していない証拠になります。

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